トップページに表示されるFa-head鍛造時のアニメーションについて「どうやって作るの?」と質問される事が多いのですが、元々CADに付属しているアニメーション機能を使って初めて作ったので私もあまり詳しくありません。(まだFusion360の操作も分からない状態だったので間違っている気も 汗)

作り方は簡単?・・・方法は簡単ですがかなり手間がかかるのでマメな作業の繰り返しになります。

1.通常の工程設計通り「切断→予備成型→完成品」をモデリングします。

2.クランク角に合わせ、切断から不備成型までの角度と予備成型から完成品までの角度を計算します。
 (二次元でチャート化しています)

3.アニメ化したいクランク角にてそれぞれの中間形状をモデリングして行きます。

(ダレ等の表現は、鍛造解析ソフトをお持ちの方は計算してもらってください。普通の方は”勘ピュータ”にて計算してください。・・通常の工程設計と同じく各ボリュームは正確に一致させて下さい。)

4.3.をひたすら繰返し50コマ程度にすれば滑らかに見えると思います。

5.最後に移動と回転を動画に撮りアニメーションの完成です。

初めてだった事も有りますが、クランク角通りにアニメ化するため地道な計算を繰り返しましたので作成に2日はかかっています。

鍛造解析ソフト↔勘↔実際が一致するようになれば、いちいち解析しなくても済むので便利ですが、、
この一致させる作業は途方もなく大変かと思います。
ですので、あまり深く考えないで「この工程で合っている」とか「鍛造解析通りで結構合っている」とした方が良いと思います。

いつか鍛造解析ソフトの計算速度が上がり経験が十分に反映され実際とピタリ一致するようになったら、どんな高価なシステムでも価値が有るかと思いますが、、

工程設計者の経験や勘が反映されているから「ねじ」だと思うし、設計者のアイデアが入った設計だから優れているので、解析技術が進歩しても自動的に工程設計がされるようにはならない。・・なって欲しくないと思います。

少し脱線しましたが、以上が鍛造アニメの作り方でした。一般的には工程設計自体が㊙で公開される事がなく珍しいので気になるのかも知れませんが、特に難しい作り方ではありませんので誰でも出来ますが大変な作業で「自己満足」以外効果はありませんのでおススメしません。
最終的なカタチはいろいろ有りますが、ねじ屋さんでは「こんな感じでワイヤー(線材)から、ねじを設計しています」的な動画だと思います。

※Fa-headは「打てない!」と指摘される事が多かったので詳細な鍛造プロセスを載せてみました。
・・内部メタルフロー屈折部を上昇させデッドフローを極力抑えたボルト・・異形成型を導くように自然とさせるカタチがテーマの開発だったので試打ち前に打てる自信が十分にあった製品です。
打てるよう設計されたボルトで、おそらくβでも行けると思いますが現在材料が無く試せません。
打つと言うより「裂く」感じの鍛造です。・・転造に似ています。転写?転圧?回ってはいませんが予備形状からどう鍛造されるか観察されると面白いプロセスになっています。

権利化は製法特許ではありませんが、この滑らせず裂く(アプセット)カタチに特許をかけています。上面アーチに軸力を導くだけなら他の形状でも行けたのですが、鍛造性では権利化し難いのでアーチ作用を利用しています。(もちろんアーチ圧縮効果もちゃんとあります)