めねじ側構造体の外径を変化させ両端面より引っ張り荷重10,000Nかけ、断面の応力分布を比較したいと思います。
いかがでしょう?両端から引張をかけた時の径の変化による応力分布の違いはこんな感じです。引張応力と圧縮応力・・・締結状態ではめねじ側は右側端面よりの圧縮荷重となりますので、この検証は意味が無いような気もしますが、参考にしてください。
一番下のモデルではねじ長さが長くても口元付近に強い応力が集中してしまいますが、実際のねじ締結時も同じように口元から3~4山に荷重が集中しています。ここで検証してきためねじは引張荷重がかかり伸びが有りましたが、通常の締結構造ではめねじ側はひたすら圧縮、おねじ側は軸力により伸ばされて行きますので、仕方無いのですが、、口元第一山では疲労破壊原因の60%以上が集中する場所である事と、口元付近にて殆どの荷重を受け持つ性質から有効なフランク面が少なくなりゆるみが発生しやすいので、何らかの対策が必要です。ゆるんでほしくない場所にグリスを塗布して組み付ける理由は、この口元での応力集中を考えれば相手材質により必要だからです。
先日、本来ならグリス塗布が必要な場所にされていない事を知り、それまでめねじ側はボルト屋としては関係の無い仕事だったので、漠然と「こうだったら改善できる」と言う考えは持っていたのですが、本格的に「口元付近を改善しないとヤバい」と思うきっかけとなりました。
言い訳では無いのですが疲労してしまったら、ボルトが正しく作られていても、ボルトは折れます。締結はシステムなので正しい設計、正しい製品、正しい管理がされて機能します。(ちなみに、相当数のボルトを作ってきましたが軸部破断は弊社製品では経験が無いので大丈夫だと思います。)
ただ、いろいろな使われ方が有ることも事実ですので、より柔軟に対応できる構造が有るなら提案をしてみたいと思います。そして締結システムとしてより粘り強く出来る構造を提供したく存じます。
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