ステンレスの穴あけ加工をしているとキリなく悩みが出てきます。
φ5.55深さ17ミリの穴あけ加工で、今現在ドリル面数を30,000個に設定し、使用済みドリルを観察中ですが、摩耗も損傷も見られない時と、若干片側の肩刃に摩耗が観察される時と有ります。(アイキャッチ画像手前側の角部が摩耗)・・回転数や送り速度、その他の切削条件は使用済みのドリルの状態から正しいと思います。
「バラツキ」で片付けてしまおうとも思っていたのですが、最近もしかしたら「穴の入口を通過する際に痛めている?」と疑問に思うようになりました。
汎用旋盤だったらドリルをアプローチする際の感触や音でアプローチに問題が無いか判断出来るのですが、NC旋盤だとアプローチが合っているのか判定する方法が無いので困ります。
この製品はM6タップ面取り用に120度面取りを施していますが、ドリルにリーディングを兼ねて加工するので、φ5.55ドリルのアプローチ時に面取り部に肩が接触する事になります。
ドリル突入時に大きなトルクが発生し刃先がねじれてしまい穴径が若干大きくなります。
手で加工する際は音を聴きながらコントロールしますが、NC機の場合は送り速度を緩めたり※※※してドリルのねじれやフレを抑えます。
でもここは先日の316穴あけでも書きましたが、柔らかくアプローチ出来るように形状的な工夫が必要だと思います。
一度、刃に乗ってしまえば嘘のように硬さを感じないステンレスですが、少しでも外せば、必ず至らない点を突いてきます。
肩刃の痛みは、おそらくアプローチが悪い
ただ、今回の製品は形状変更は出来ないし工程も変更したくないので、同じ120度面取りのままアプローチ速度を変更して様子を見てみます。
それと・・リーディング後のデュエルを取って見ます。面は安定しますが表面が加工硬化してしまうのでステンレス加工時には無い方が正しいかも知れません。
今の面数を突破出来れば、大きく面数を伸ばせる気がするので、いろいろ研究してみます。
※逃げ部のカーボン付着状態からクーラントをエマルジョンに変えれば、かなり寿命が伸ばせると思います。ソリュブルでは摩耗が避けられませんがカーボンが大量に付くとプロフィールも変化してしまい刃先損傷の発生も有るので一長一短かなぁ、、切削は何をチョイスするかが本当に難しいです。
※アイキャッチのドリルはOSG製ADO-SUS3Dです。先日の316穴もOSG製のSUS用ハイスドリルで、とてもキレイなドリルで愛用しています。ステンレスやチタンの工具は美しく見える工具が向いています。本当はレーキしないで手研のように滑らかな逃げが良いです。
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