通常のHelicoは高強度用のアライメント性を示すボルトですが、同じパンチ(Helico金型)を利用しアンダーカット形状を変更すると、柔らかな締結体用にアレンジできます。
写真は一般普通ガラスを引張ったさいのシュミレートでまあまあの応力を付加しましたので、安全率上はガラスが変形若しくは破壊されてしまいますが、軸力調整やアーチを調整すれば締結可能です。口元からかなり離れた位置を押さえるので、口元からの破壊が回避できます。
この形状でも、軸太部強度よりは上回っていますので軸部破断となります。基本的にアーチにより上面から吊られている構造ですので、アンダーカットを大きく取ってもバネ性は増しますが、当該頭部比率ではHelicoが破壊される事はありません。アーチとアライメント性の説明はこちらのアンダーカットを大きくした物の方がイメージしやすいかも知れません。
裏を抜くと、頭部中央のダイヤモンド形がハッキリしていきます。最大主応力とも最小主応力とも言えない部分で上下で違うのでしょうか?軸力から水平に上昇したせん断線はこの中で徐々に角度を変え消失していくように感じますが、本当に分からない分布です。
まだ商品開発はしていないので、ボリューム及び詳細なディメンションを決めていませんが、鍛造にてかなり強度も増しますので少しボリュームが多かったように感じます。
この状態でリング状に鉄板が変形するまで締付けが出来ます。
*商品では無く、アライメント保持性とせん断による非破壊性を確認するためにテストモデルを解析したものです。
ガラス条件を強化ガラス 引張り荷重4,000N ボルトを軟鋼 M8転造下径ツバ径∮17.5に変更しHelico形状を修正しました。修正形状は公開出来ません。構造物の穴径は∮9でチャンファーは0.5で描いています。
直止めでは締付け時にキズも付く事と若干タッチが硬いので完全とは言えないのですが、薄い紙を挟めば35,00Nまでは行けると思います。ガラスをボルト止めする事は無いと思いますが、アライメント性の確認にはエッジ等をよく拾ってくれるので、ガラスが便利です。
座面から外に向かう引張り応力が強くなり、ガラスの首元C面が辛そうなので工夫が必要なようです。