切削にてスローアウエイチップ(インサート)を使用した後には必ず摩耗の状態を10倍から15倍のルーペで確認しています。
確認ポイントは
- 刃先欠損の有無
欠損していると不具合の可能性が有るので必ず確認。 - スクイ面への溶着物の有無
溶着は刃先欠損に繋がる場合も有る事と製品仕上がりに関わるので良く観察して条件を見直す。 - 摩耗の均一性
片減りすると寿命が短くなるので、なるべく全周摩耗となるようプログラムする。 - 摩耗の状態
縦線等の有無などから負荷が多かった場所を特定してプログラムを見直す。 - 逃げ面に付着したカーボンの状態
逃げ面摩耗の直下に見られるカーボンの付着が多すぎず少なすぎずになるよう、クーラントや切削速度・送り速度を調整する。
をしています。
なぜ刃先の状態を観察するかと言うと
実際に切削した切削品の状態・・仕上げ面精度の確認だけでは切削条件が正しかったのか判断する事が難しく、二時的に発生する刃先やキリコの状態を観察しないと正しい切削だったのか判断が出来ないからです。
その他にも切削音や各パラメータグラフ、変わった観察では動画を取りスローにしてキリコ排出状態を観察したりしています。
切削加工で困るのは製品の観察だけでは条件判定が出来ない点だと思います。他の加工なら製品を良く観察すれば加工の状態や金型の状態が判断出来るのですが、切削加工ですは二時的に発生する結果で判断する事が多いかと思います。
あまり細かな事を気にしなくても削る事は出来ますが、数え切れないほど多種多様な切削工具材質や形状が市販化される意味は細かな事を追求した結果のニーズだったと思います。
インサート選定の際は漠然とメーカー推奨を使用するのでは無く、その切削に合わせて選定する必要が有るかと思います。
何百種類も組み合わせが有るので迷ってしまいますが、迷わず選定するため良く刃先を観察し続けた方が良いと思います。
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