特許6877798の国際PCT出願にて 国際調査機関より「国際調査報告」 を頂きました。

見解の内容は、
「請求項1-11に係る発明は、国際調査報告で引用された何れの文献にも開示されておらず、新規性・進歩性を有する。特に、請求項1の、ボルトが上に凸に湾曲する湾曲部を有し、頭部の上面は、凹み部に対する高さが互いに異なる複数種類の湾曲部を有している点は、何れの文献にも開示されていない。」 となっていましたので、 補正の必要が無く各国移行手続きが取れるので大変有難い見解を頂きましたが、国内出願の際に特許庁よりの「拒絶理由書」にていろいろご指摘を受けたので、見解だと発明として問題が無いとの表現に変り、本人としてはなんだか考えさせられます。

国際調査報告書の見解書は出願人が国際予備審査請求をしない場合には「特許性に関する国際予備報告」と改称され各指定国に送付されますので、上記のように補正の必要が無い見解を頂きましたので、優先日(国内出願日)から30ヵ月以内に各国の国内移行手続きをすれば、各国の審査後に権利化されます。
まだ、権利化された訳では有りませんが国際調査(国内出願時も)では既存の世界中で開示された先行技術や関連技術が調査されますので国内移行の際に、ある程度、権利化できる可能性を判断が出来るようになります。

特許6877798 の出願日は令和2年10月20日でしたので30ヵ月後の2013年4月20日までには国内移行手続きを終わらせる必要があります。東京都知的財産総合センターさんでの来年度の助成内容はまだ決まっていませんが、例年通りなら助成となる対象期間が2年間となっていますので、その間に対象国すべての国内移行手続き、登録を終わらせなければなりませんので、年二回の応募に合わせタイミングを計り進めたく存じます。・・・国によって移行手続きから登録までの時間にバラツキが有るので上手く2年間で収まればよいのですが、、今のところ対象国は米国、カナダ、中国、韓国、ECを予定しています。台湾への出願はPCT出願と同時に実施済みです。

J-Platpatの経過情報照会を選択すると経過がみられます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6877798/06151F388FEDE60D7DE35B2170402B9B6C2BF6AB3F93892783210F7126AF9DDA/15/ja

実際の出願書ややり取りした文章、引用文献などは全てOPDから閲覧できます。

*特許としては良くても、新規性が有る=変わっている ですので製品として優れていると評価頂いている訳では有りません。十分良かれと開発して参りましたが、製品としての安全性、性能、実施可能性、利便性はこれから時間をかけ証明していきたく存じます。何より参加企業様が少しでも多くの利益が生めるよう、なるべく低コスト・低環境負荷な生産方法を研究していきたく存じます。

登録された形状をモデリングするとアイキャッチ画像になります。六花でも桜でも複数の湾曲なら数に限りが無いので文面を表すならアイキャッチ画像が近いと思います。桜からデザイン抽出したこの特許は日本で生まれたものなので、特定の花びらにすると和風なねじになります。
拒絶理由書にて「駆動部を明確に」と指摘を受けた際に、意見書にて駆動部を決める必要が無いと反論した理由はココに有ります。外周に円弧状駆動部が有る時も有れば立上り側面壁を使用する時も有るので、限定すると不利になり今回見解頂いたように当該形状では他に文献が無いので手で締めようがどこを駆動部としようが発明者の自由だからです。

難しいですね、、フィレットがまだ上手く切れません。

桜だと花弁の間隔が広くなるので、このボルトの駆動部(円弧壁)が三次元駆動するようになっているのが解ると思います。駆動トルクが接触部に発生すると接触面積が増えていく構造としてあります。

請求項1には大きさや高さ等の取り決めは無いので、該当する頭部形状すべてが権利化されています。・・・特に放射状段差とも謳っていません。基本的な物の形を表しかなり広範囲に権利化されていますので近い形状を設計の際はご注意ください。既存には「ゆるやかなアプセットからナベ状へつながる形状」は無いと思うので大丈夫だと思います。