Helicoでの圧縮応力分布と引張り応力分布が一度に観察出来るように「最大主応力分布」と「最小主応力分布」画像を重ね合わせて合成画像を作ってみました。

最大↔最小主応力分布・・ちょっと強引です

赤色が引張り応力分布、青からグリーンが圧縮応力分布なのですが、、余計に見にくかったかも知れません。

合成前画像比較・・左最大主応力、右最小主応力分布
Fusion360自動しきい値設定での表示

上面にドーム圧縮応力が分布し座面に伝わるよう分布していき、軸からは外側ドーム?アーチ?に向け接続するように引張り応力が分布していきます。

総合応力表示にすると何が何だか分からなくなってしまうので、この方が作用を考えやすいと思いますが、ちょっと気持ち悪い画像になり恐縮です。

総合すると下のような応力分布となります。

Von Mises

Von Mises(総合応力分布表示)では圧縮応力や引張り応力と分けて表示が出来ないので、「上面にはアーチ圧縮応力が発生し」と謳っても見えないので可視化してみました。
軸力(引張り応力分布)もどのように頭部上面へ接続しているか見えないのでイメージ化してみました。

形状設計の際は「変位」(変形の量)表示にしてアライメント性を確認してモデルを修正して再度解析で確認しながら進める事が多いので、総合応力分布でも形状は導けるのですが、「何が起こっているか?」考える際は主応力や法線・せん断表示にして観察しています。
ただ、出願書もそうでしたが文章にしたり、誰かに説明するのは上手に資料等が作れないと難しいです。ここのホームページでも説明が出来ていなく恐縮です。

せん断は主応力により破壊力を失っていますが、位置的には Von Mises での中央に見えるダイヤモンド型に存在するハズです。

YZせん断表示

”ハズ”と表現したのはせん断表示にしても抽出が今一難しいです。上はYZせん断なので中心線から右側の黄色から赤色がせん断分布を示しています。軸側は薄っすらと見えているのですが頭部側の凹み中心位置に向かうせん断はもうはっきりしません。
力は「圧縮応力」>「引張り応力」>「せん断」の関係なのでせん断が見えにくくなっています。アーチ圧縮応力は「橋」など真直ぐな構造ではせん断により破壊されやすく、アーチ状にすれば圧縮応力によりせん断力が消失して行き破壊し難い・・・物を圧縮する力は物質を小さく出来るか?的な力なので他の力より圧倒的に強い。
アーチ圧縮では”座屈”(左右に逃げる力)が発生してしまいますが、ドーム圧縮では座屈出来ないので上手に石組みすればとても丈夫です。

Helicoは花弁部が有るのでドームともアーチとも言えない構造です。最初に表示した 最大↔最小主応力分布 に示されるように変形した分布となります。