Helico形状の冷圧性・・冷圧性と言うより放射線と緩やかなアプセットを施した際の特性を調べるための試作が終了し、緩やかなアプセット形状から外周に向かうアーチ状のドーム構造は鍛造に向いている事が確認できましたが、放射状の段差を施すことによる転造による頭部上面に異形を施す構造に関しては、いろいろと課題を残しました。
トップページに表示されるアニメーションは設計した際の理想・・CAEなどで解析した訳ではありませんが、おそらく考えた通り金型形状等のすべての条件が整えば、あの解析通り形状が出せると思っています。
試作01での皆さんの評価とデザイン性の追求しボリュームと特許取得のアライメント保持性は維持したまま試作03用のモデリングを半年前にしました。以下に比較画像を載せます。

試作01,02    ↔    試作03

一見して試作03モデルの駆動部付近が高くなっていることに気づいて頂けるかと存じますが、それ以外の印象としてツバ部の厚みがかなり薄く感じられると思います。ボリュームを抑えるための処置ですがココの形状(寸法)設計にかなり時間を要しました。駆動部だけを高くすると花弁外周部立上り壁が高くなり外側の丸みが維持しがたく製品になった際の安全性?(触れた際の柔らかさ)にかけるようになりHelicoらしさにデザイン上欠けるのと特許案件のアーチ応力は遠すぎると作用が減りアライメント維持が難しくなります。03設計では花弁部アーチ作用が下がる分基部アーチの作用を強くしバランスを取りました。(式が今現在無いので、何回かモデリンと解析を繰り返さないと形状が出せない・・少し形状を変えたくても全体を再設計しなければならない)
ボリュームもあったのですがアーチ応力配置バランスのためツバ部と言うより基部アーチを軸に接近させないと成立しなかったのが試作03形状となります。・・取得した特許範囲はもっと広範囲だしアライメントに関してもゼロ維持とまでは謳っていないので拘らなくても大丈夫ですが、とりあえず理想形状を模索します。(出願書に書かれた寸法・・中心高さは変えていません。この位置だけ強い作用を示す)
その他も設計で工夫したポイントがあるのですが、スライド画像で確認できるので㊙では無いのですが、自分でも不確かなことを書きにくいので解明したら書かせて頂きます。
試作03用モデルも最終的にはデザイン性で十数モデルの中から選んでます。ねじにデザイン性が必要かどうか?は置いておいて、せっかく作るので良い佇まいで有りたい。
真横から見るとかなりしっかりと強そうな印象ですが、従来通り締結状態で見える角度や真上からは優しい印象を与えるデザインとなっているかと思います。

ボリューム関しては、少し軽くなっています。解析結果で十分だったことと試作01を踏まえ金型に対する圧造荷重を増やしたかったからで、試作01,02がふっくら過ぎで花弁部にテンションを掛けにくく形状が出せなかったので加圧を上げた際の減少確認をするため試作03をトライします。

詳細な試作03形状は https://helicodesign.com/?page_id=2537 で確認できます。HPで3Dモデルを眺めていて今思ったのですが、このボルトの駆動部位置は外側過ぎかも知れません。下の写真の角度からだと駆動部がフランジ径より外側にはみ出しているように見えます。

フランジ径ギリギリの駆動部だと大きい?

フランジボルトに比べ試作03でもエッジは薄く感じないと思います。角度が違うので試作01と比較するとエッジの厚みだけ見ると違うように見えますが断面だとそんなに違わないので見た目は微妙ですね、ちょっとした寸法の違いで変っていきます。